イタリアの食べ物の物語は、
こちら ↓(NEW) イタリアの台所から マルケ州からはじまったイタリア生活から、シチリア・モディカでのお菓子修行までは、こちら↓ イタリア料理スローフード生活1 南トスカーナの村の生活、 そして、シチリアの大好きな風景は、こちら↓ イタリア料理スローフード生活3 カテゴリ
全体 モディカの生活 シチリアのお菓子・ボナユート編 カターニア・森本選手情報 シチリアの日常のお菓子 イタリアの生活事情 シチリア・カターニアの生活 イタリアのパン プーリアの生活 プーリア旅行 プーリアの料理 イタリアの環境事情 プーリアのパン 引越しのお知らせ 未分類 以前の記事
お気に入りブログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
シチリアの代表的なお菓子、カンノリ。中には、リッコッタチーズが、たっぷり詰まっています。エレガントな年配のシチリアのおじさんが、服についた、粉砂糖を払い払い、大きなカンノリをがぶついている姿は、なんとも、シチリア的。 外の皮は、さくさく、がおいしいので、ボナユートでは、当然、注文があったときに、中味のリッコッタチーズや、チョコクリームや、カスタードをつめます。 売り場のベアトリーチェが、 「カンノリ4本、2本は、リッコッタで、2本は、チョコクリーム。持ち帰りね」 「カンノリ3本、全部カスタードで。店内でたべる用にね」 と、工房に伝え、はじめて、中味を詰めはじめます。 さて、このカンノリ、今のように、男女が、おなか出したTシャツで、道で抱き合い、キスしあい・・・なんて、できなかったその昔には、ちょっとした、愛の道具に使われていたのです。それは・・・。 <カンノリの物語> 1925年、”ハイカラ”なおしゃれをした2人の女性。 (Vecchia foto di Catania より) シチリアは、男女の関係には、とても封建的な土地柄で、家の外で、男女が、会ったり、話すことは、許されていませんでした。唯一、おおっぴらに、出会える場所、それは、日曜日の教会のミサ。 そこで、ある若者(仮に、サルバトーレとすると)が、気になる女性を見つけたとしても、今のように、直接、映画にさそうなんて、絶対無理。 まず、家柄をチェック。お金持ちで、地域で、力のある家の、おじょうさんだと、あきらめます。つきあえることは、ありえないし、面倒なことになるからです。 港で、働く若者たち。朝ごはんの光景。1934年 (Vecchia foto di Catania より) さて、庶民の家の女性だったら? サルバトーレは、そこらの少年を呼んで、いいつけます。 「おい、カンノリを買って、あの女性に渡して来い。」 当時は、今のように、毎日お菓子がたべられるわけもなく、お菓子は、とっても、ぜいたく品。パシリの少年、カンノリを買いに走り、お目当ての女性に渡します。 女性が、「誰から渡せって言われたの?」 と、少年に聞いても、少年は、決して、名前を明かしません。 「知らない。でも、あんたと話したい”誰か”からだ」 なぜ、名を明かさないかというと、もしサルバトーレからのプレゼントだと、女性のお父さんや、お兄さんにばれたら、「うちのもんになにをするー」と、さんざんな目にあうからです。 でも、女性は、ちゃんと、わかるのです。 このカンノリの意味は、「君と、関係したい」ということ。なぜなら、カンノリは、男性性器の象徴なのです。(前のお菓子、ゼッポレと一緒です)。もし、女性も、サルバトーレのことが、気になっていたなら、このカンノリ、食べてOK。 でも、もし、女性に、婚約者がいたり、サルバトーレに興味がなかったら、ひとこと ・・ 「いらないわ」 このとき、一番喜ぶのは・・・ パシリの少年です!贅沢なカンノリを、ぱくつけます。そして、教会の影で、そわそわと、この様子を見ていたサルバトーレ君は、帽子を、たたきつけて髪をかきむしっていることでしょう。 私だったら、食欲に負けて、何も考えず、まず食べちゃいそう。あとで、冷静になって、「ああ、あの1本のカンノリのせいで、私の人生狂わされた!」 とか (笑) 夢見ていたのに・・・・? 次回は、そんなカンノリの本格的な作り方の紹介です。
by andotarou
| 2007-04-20 14:49
| シチリアの日常のお菓子
|
ファン申請 |
||