イタリアの食べ物の物語は、
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じっくりこんがり、あくまで、しっかり。そんなオルサラのパン作りは・・・ オルサラ村のパン屋さん プーリアに来てから、ずっと行きたいと思っていたパン屋さんの工房。あれよあれよ、という間に、時がすぎ、夏も終わりの近い今日、やっと実現。 フランス人が、バゲットを抱えてあるくように、お昼時になると、ここオルサラ村では、ずっしり重いこの丸いパンの包みを抱えて歩いている人を見かけます。 このパンなしでは、生きていけない・・・ そういっても、過言ではないくらい大切な、このずっしりこんがりパン。 そんなパンが次から次へと作られる、アントニオさんと、ヴィンチェンツオさん兄弟の工房に、お邪魔しました。 オルサラ村のパン作り オルサラのパンは、こうしてできる 材料は、 セモリナ粉 50kg 、水、塩、天然酵母、普通のイースト菌 粉が、全部、硬質小麦のセモリナ粉というのが、特徴です。 セモリナ粉と、塩、普通のイーストが、入っているところに、天然酵母をどさっと加え、 さらに、水を加えて 25分、まわします。水を加えているのは、従業員のフェデーレくん。毎朝3時おき。♪朝一番はっやいのは~♪ パン屋の”おじさん”じゃ、まだないけれど、オルサラ村では、きっとフェデーレくんに、違いない。 布をかけて、じっくり2時間発酵 おいしそうに、発酵した生地を、ひとつひとつはかりで、計って 同じく従業員のルイーザさんに、ぽんっと渡すと、ルイーザさんが、くるくるっと、丸めて 用意されたボールのなかに、ぽーんと、投げ入れます。 すぐに、布をかけて、今度は、2次発酵。 2次発酵中。 夏場は、1時間半くらい 2次発酵が、終わった生地を、木の板にぽんっとひっくり返すと、アントニオさんが、ナイフでささっと切り目を入れて、オーブンに、放り込みます。 250度で、1時間半くらい。じっくりゆっくり。 さて、1時間半後・・・・ チリチリッ、チリチリッ、オーブンの外でもパンの皮が、焼け続ける音 後姿で、長い長いさお(?)を操り、パンを引っぱりだすのは、弟のヴィンチェンツオさん。お兄さんのアントニオさんは、寡黙なタイプなのですが、このヴィンチェンツオさんは、冗談言いまくり。そのたびに、みんな大笑い。 焼けたパンを手袋で、かごにうつすのは、アントニオさんの、17歳の娘、サラちゃん。将来は、イタリア語とフランス語の、同時通訳になりたい、というだけあって、語学に興味深々。漢字を書きまくらされました。でも、夏休みだというのに、暑い工房で、毎日、お父さんを手伝っていて、ほんとにえらい。 焼きあがったパン オルサラ村民の胃袋を支えている風格 あっという間に、工房は、焼きあがったパンでいっぱいに。 そばによると、チリチリッ、チリチリッ、と、余熱で、皮が、焼ける音がするのです。 こんなによく焼かれているので、もちろん皮は、ぱりぱり。そして、中味も、セモリナ粉なので、噛み応えがあります。 1回で、100個くらい焼かれ、これを1日に、2~3回繰り返します。 このパン、200個、300個が、オルサラの人たちの胃袋へ~。 パンは、大きさによって、1kg、1.5kg、2kg、3kg、4kgとあり、重さによって、値段が変わります。ちなみに、1kgで、1.7ユーロ (280円くらい)。家族の人数によって、買うパンの大きさは、変わります。 「1kgのパンは、3人家族だったら、2日くらいで、なくなっちゃうんじゃないかな」 とのこと。 紙袋にそれぞれ村の人の名前が、書いてあって、パンが焼きあがると、大きさを確かめて、名前の入った袋にいれ、アントニオさんが、車で、配達します。朝、電話で、注文を受けるそう。 これは、サービスで、お店で買っても、配達しても、パンの値段は、一緒。主にお寄りよりへのサービス。確かに、あの重たいパンを抱えて、お年寄りが、石畳の坂道を歩くのは、きっと大変に違いない。 私が、「プーリアのパンって・・・」 と聞くと、「プーリアのパンじゃないよ、オルサラのパンだよ。オルサラには、オルサラのパン、フォッジャには、フォッジャのパン、プーリアでも場所によって、違うんだよ。だから、これは、オルサラのパンなんだ」 「日本にもパンはあるの?」 「今はありますよ。でも、主流は、フランス系かな。あとは、四角いイギリスパン。ふわふわのパンが日本では、人気なんですよ。」 「ふわふわのパン?ふわふわのパンなんて、だめだめ」 オルサラの人たちは、声をそろえてこう言います。 「パンは、しっかりしっかり焼けてなくっちゃ」 こういうパンを見ると、ここでは、パンって、おやつや、軽い食べ物じゃなくって、あくまで、主食。 日本のパンとの存在の違いを、感じます。 ここの人たちが、日本のパンやさんの、フランスのバゲットあり、焼きそばパンあり、北欧系デニッシュあり、明太子パンあり、アンパン?甘い豆が、パンに入ってるって? なんていう品揃えを見たら、目を丸くするだろうなあ・・。 オルサラのパンやさんは、何十年も、オルサラのパン。 この違いが、イタリアと日本の食生活の違いを如実に物語っているのでしょう。 よくも、悪くも・・・・;) 次回は、もうひとつのプーリアのパンの代表選手、タラッリの登場です。 (つづく)
by andotarou
| 2007-08-31 02:13
| プーリアのパン
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